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コラム

寝転がり効果が2400年前に解明されていた

石川啄木の代表的歌集「一握の砂」にこんな歌があります。

 

不来方のお城の草に寝転びて
空に吸われし
十五の心

 

不遇の中で各地を転々としていた啄木が、故郷・盛岡の中学生時代の自分に思いを巡らせてつくった歌です。

「不来方(こずかた)のお城」とは

盛岡城のことです。

恋と文学にのめり込み、

トップクラスだった成績が急降下していた時代で、このときも授業を抜け出してお城に行ったとされています。

現在は盛岡城址として公園になっていますが、当時は周囲に高い建物もなく、盛岡盆地が一望できるお城は青空の下、毅然としたたたずまいを見せていたのでしょう。

この歌は「空に吸われし」の表現が、擬人法を使った比喩の鮮烈さが絶賛されています。吸われたのは夢だったのか、野心だったのか、あるいは恋心だったのでしょうか。いずれにしても、少年啄木が空に託したロマンを感じさせます。

 

言いたいのは、心を吸い上げしまうような空は、単に立って見上げただけでは現れないということです。草に「寝転びて」こそ、自分のすべてを抱きとめるような空の広さ、深さが実感できるのではないでしょうか。

空といえば、夜空もそうですね。砂浜に寝転がって満天にきらめく星々を見ていると、人間がちっぽけな存在に思え、さんざん思い苦しめられた悩みまでも卑小なものに見えてくるものです。寝転がるだけで、世界観さえ変わってくるのは、考えてみれば不思議な気がします。

 

寝転がると、なぜそんな思いになるのでしょうか。

生理学的に一つ言えるのは、寝転がるとアルファ波が出るということです。

アルファ波は脳波、すなわち脳の神経細胞から出る周期性を持った弱い電流の一つです。

電流ですから、機械で調べることができ、今そんな脳波が出ているのかが分かります。

脳波にはほかにベータ波、ガンマ波、シータ波、デルタ波があり、活動しているときはベータ波やガンマ波が多く、深い瞑想時、あるいは眠りに入りかけのときはシータ波、深い眠りのときはデルタ波が出ます。

 

アルファ波はベータ波とデルタ波の間の状態のとき、つまり瞑想したようなときに出る脳波で、アルファ波が多く出るとリラックスした状態になります。

 

その一方で、意識レベルは高まっています。

つまり集中できているのです。

これがどういう状態をもたらすかというと、想像が自由に広がり、ひらめきが湧いてきます。

 

お坊さんなどは瞑想によってこの状態をつくり出しますし、対局中の一流棋士も脳波がアルファ波になっているそうです。

 

みなさんも、横になるといろいろなアイデアが湧いてくるといった経験はありませんか?

 

高僧や羽生善治永世7冠でなくても、自分でアルファ波を生む状態はつくれるのです。

 

啄木はもちろん一流の歌人ですが、アルファ波の中に「十五の心」を自由に泳がせていたのかもしれませんね。

 

見逃せないのは、このアルファ波が人間の健康や美容にも大きな役割を担っていることです。

 

アルファ波はベータエンドルフィンというホルモンの分泌を促します。これは鎮痛・鎮静効果があり脳を活性化させるほか、幸福感を与えてくれる物質であるため、脳内麻薬ともいわれています。

 

アルファ波にはさらに、自律神経のバランスをとったり免疫力を高めたりする力があります。

自律神経には、起きて活動中に優位に働く交感神経と、睡眠や休息時に優位になる副交感神経があり、このバランスが崩れると、さまざまな病気や不快な症状の原因になります。

 

女性ホルモンとも密接な関係があり、一生をエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンに支配されるといっても過言ではない女性にとって、自律神経の乱れはホルモンバランスの崩れにつながり、月経不順や更年期障害の症状の悪化などを招きますので、無視できません。

 

また、自律神経は腸の働きも左右しますので、自律神経のバランスが崩れると便秘になることもあります。便秘がお肌の大敵であることは、みなさんご承知でしょう。

 

免疫は外界から体内に入ってきた細菌やウイルス、がん細胞のように体内にできる異物を攻撃して体を守ってくれる防御機能のことで、免疫力が低下すると風邪をひきやすくなったり、傷が治りにくくなったりします。

 

最近話題のがんの新薬、オプジーボも、人間の免疫力を復活させてがん細胞をなくしてしまうものであることはご存知の方も多いでしょう。

 

そして、このアルファ波が生むリラックスした状態こそ、人間にとって必要なのです。これは説明しなくてもおわかりでしょう。人間、緊張状態が長く続くとまいってしまいます。緊張と緩和があってこそ、心身のバランスは保たれるのです。

それだけではありません。

 

リラックスしているというのは、ストレスから解放されている状態ということです。そう考えると、アルファ波の計り知れない健康・美容効果が容易に想像できるのではありませんか?

 

「警告反応」と訳されるストレスは、ほぼすべての病気に関係しています。ストレスが続いて胃が痛んだり眠れなくなったりしたという経験は、多くの人が持っているでしょう。

イライラや不安感がつきまとって、うつ病の原因にもなります。

どの病気の専門医に尋ねても、病気予防に必要なものとして、バランスのとれた食事と適度な運動、禁煙に加えてストレスのない生活を挙げます。

 

ストレスがあると、筋肉が硬直するのです。

 

すると、肩こりや腰痛の原因になりますし、筋肉の間を流れる血液やリンパ液の流れが悪くなります。これらは酸素や栄養を運び、体内で生まれた老廃物を排出してくれます。その流れが滞ると何が起きるでしょうか。

 

まず、むくみや冷えが出やすくなります。それを繰り返すと、余分な脂肪がつきやすくなります。お肌もハリを失い、くすみやシミを生みます。特に女性にとっては何としても避けたい悪影響が、次々に襲ってくるのです。

 

少し難しい話になりましたが、決して脅そうとしているわけではありません。

 

なぜなら、ストレスを軽減してリラックスできさえすれば、健康リスクや美容の大敵を、少なくとも減らすことができるということを意味しているのですから。

 

もちろん、リラックスする方法はいろいろあります。

お風呂に入ってもいいですし、森林浴やハーブティー、深呼吸だけでもいいです。マッサージも大きな効果があります。

でも、寝転がるだけでその効果が得られるとしたら、これほど簡単なことはないでしょう。

 

寝転がりの効果をさらに高めたいなら、目を閉じることです。

 

人間は元々、五感のうち目から最も多くの情報を得てきましたが、スマートフォンやタブレットを四六時中見るようになった現代、目から得る情報は8割以上にのぼると言われています。

 

つまり、目を閉じるということはそれだけの量の情報を遮断する、言い換えれば目から脳に届く刺激が激減するわけですから、副交感神経が優位になってアルファ波も多くなるということです。

 

ドラマや小説でよく見かけるこんな場面があります。雪山で吹雪に見舞われ、体力限界に陥ってビバークしているとき、「眠るな。眠ったらそのまま死んでしまうぞ」とパートナーが励ます場面です。

 

でもこれも、短時間眠るだけだったらかえって、体力が回復し、判断力も戻ってくるとされます。目をつぶるだけでも脳は休むことができ、たまった疲れやストレスは確実に減っていくのです。

 

ただ、目を閉じると、青い空と流れる雲も星空も見えなくなりますが、これは我慢しましょう。

 

古代ローマ時代の貴族階級は、食事の際、左側を下にしてひじで上半身を支える形で寝そべって食事をしていたそうです。食べて飲むことが仕事のような特権階級ですから、お腹がいっぱいになったら戻して、また食べていたといいます。

 

もちろん、こんな食べ方が体にいいはずはありません。でも、古代ローマに先駆けて繁栄した古代ギリシャには既に、医学を、臨床と観察を重んじる科学に発展させ「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスという医者が登場していたぐらいですから、横になって食べるというのにも、何らかの意味があったのかもしれませんね。

 

それはともかく、ここで紹介した寝転がることの効用はすべて、ヒポクラテスの時代から約2400年を経た現代の科学が解明したものです。

 

そう考えれば、日ごろの生活で当たり前になっている寝転がりを改めて、さまざまな形で試してみたくなってきませんか?

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