2025年6月27日
整形外科だけでなく、女性特有の不調やライフイベントに関わる婦人科・産婦人科系の症状や疾患に対しても、近年ではEMS(電気刺激療法)が新たな支援ツールとして注目されています。本記事では、代表的な婦人科系疾患や症状についての解説と、EMSの可能性・セルフケア・対応策を併せてご紹介します。
EMS導入時の注意点と副作用リスク
強い下腹部痛や腰痛を伴う月経痛。子宮の過剰収縮や炎症、血行不良が原因となる。
骨盤・腹部の血流改善を図る低周波EMSが有効。副交感神経優位へ導くリラクゼーション型刺激が痛みの緩和に貢献。
月経前に起こる情緒不安・浮腫・集中力低下など多様な症状。
自律神経調整・腹部冷え改善に。骨盤底と腰背部への刺激がホルモン関連症状の緩和に寄与。
女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、のぼせ・動悸・不安感などが生じる。
骨盤底筋や下肢筋へのEMSは、運動が難しい方への代替手段に。筋肉の活性化により精神的安定にも好影響。
子宮内膜に似た組織が子宮外で増殖する慢性炎症疾患。
根治は難しいが、下腹部・腰部の筋緊張緩和を目的にEMS活用が注目。痛みによる活動低下の予防に貢献。
子宮に発生する良性の筋腫。位置や大きさにより症状が異なる。
直接の治療ではないが、筋緊張と血流改善による不快感の緩和に有用。リラクゼーション目的で導入されるケースも。
出産により骨盤底筋が緩み、姿勢や排泄コントロールに影響。
骨盤底筋専用EMSで深層筋に刺激を入れ、筋収縮感覚の再教育を図る。産後女性に人気。
骨盤底筋の低下により、咳やくしゃみで尿が漏れる腹圧性尿失禁。
EMSは収縮感覚を代行し、自覚的な骨盤底筋トレーニングを助ける。プライバシーに配慮したデバイスで使用可能。
女性に多く見られる末梢循環不良とホルモン変動による症状。
低周波EMSによる足元・腹部の血行促進、交感神経抑制効果が期待される。
加齢・出産・姿勢の乱れにより筋肉が低下し、QOL低下や性機能不全につながる。
非侵襲的EMSでフェムゾーン強化し、尿もれや性生活の質向上に貢献。筋トレエステとの連携が期待される。
EMSは女性のライフサイクルにおける多くの悩みに対応可能。
EMS(電気筋肉刺激装置)はさまざまな整形外科的疾患に対して有用ですが、安全に導入するための留意点とリスク管理が欠かせません。特に以下の点に注意しましょう。
皮膚トラブル:通電部位にかゆみ・赤み・湿疹などが起こることがあります。特に敏感肌や乾燥肌の方は注意が必要です。
筋肉痛・違和感:筋肉が強く収縮することで、**遅発性筋肉痛(DOMS)**や過緊張が発生することがあります。
過用による筋疲労:長時間の使用や設定強度が高すぎる場合、筋疲労やパフォーマンス低下の原因になることがあります。
不適切な電極配置:神経叢やペースメーカー周囲、骨折部位などに誤って使用すると、重大な医療リスクにつながる可能性があります。
以下のようなケースでは、EMS使用を控えるか、医師の指導下での実施が推奨されます。
ペースメーカー・除細動器の埋め込み患者
妊娠中または妊娠の可能性がある方
癌の患部近く
急性期の外傷・炎症・出血傾向がある部位
感染症や発熱がある場合
通電時間・強度は段階的に調整:初心者は低周波・低強度から開始し、徐々に慣らすことが重要です。
電極は清潔な状態で適正に貼付:貼付部位の汚れや汗をふき取ってから使用し、皮膚トラブルを予防します。
医療従事者や専門スタッフの指導を受ける:特に初めてのEMS導入時には、リハビリ職・理学療法士などの監修が理想的です。
婦人科系の症状はデリケートで、見逃されがちです。しかし、筋・神経・循環の視点からアプローチすることで、生活の質を大きく向上させる可能性があります。
EMSは、ただの筋肉刺激ではなく、“女性の人生のサポーター”になりうるツールとして、医療・美容・運動の枠を超えた活躍を見せています。
次世代型フェムケアとして、皆様の現場や日常にもぜひ活かしてみてください。
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