2025年5月27日
「歳を取ると筋肉痛が遅く出る」というのは、一部誤解を含んだ“都市伝説”のような側面があります。結論から言えば、これは完全な嘘ではないが、科学的に正確ではありません。
若い人は運動の翌日に筋肉痛が来るが、年配者は2日後、3日後に痛くなる。
これはよく聞く話ですが、実際には次のような背景が関係しています。
遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness, DOMS)は、運動後12~48時間をピークに痛みが現れる現象。
年齢に関係なく、誰でも痛みのピークは1~2日後に来ることが多い。
ただし、筋肉痛の「感じ方」や「自覚」の仕方に年齢差が出る可能性はあります。
要因 | 高齢者に見られやすい傾向 | 解説 |
---|---|---|
神経伝達の鈍化 | ○ | 加齢により、感覚神経の反応が遅くなることがある。 |
痛覚の閾値上昇 | ○ | 高齢者は若者に比べて痛みに鈍感になる傾向があり、自覚が遅れる。 |
日常生活の動作量 | ○ | 普段動いていないと、軽い痛みを「筋肉痛」と認識しにくくなる。 |
筋量・筋力の減少 | ○ | そもそも筋繊維への負荷が少なく、筋肉痛が起きにくい場合がある。 |
多くの研究では、年齢が筋肉痛の発症時間に直接影響するという明確なエビデンスはないとされています。
例えば:
「筋肉痛の発症時期は運動の種類・強度・個人の筋コンディションに依存する」
「加齢により痛みの知覚が変化する可能性はあるが、発症自体のタイミングは個人差の方が大きい」
EMS(電気筋肉刺激)でも遅発性筋肉痛は起きますが、EMSは神経に直接電気刺激を与えることで筋肉を強制的に収縮させるため、普段使っていない深層筋にまで刺激が届きやすいという特性があります。
EMS初体験の人は年齢に関係なく筋肉痛になることが多い。
高齢者のほうが「痛み」を鈍感に感じやすいため、EMS出力レベルが高すぎるリスクもある。
加齢による神経感受性や痛覚変化で「痛みに気づくのが遅い」ことはある。
しかし、「歳を取ると筋肉痛が2日遅れる」などの表現は 科学的根拠が乏しく、個人差の方が大きい。