2025年5月30日

【医療×美容】なぜEMSの使い方は「上肢」と「下肢」で違うのか？科学的根拠で読み解く筋肉刺激の最前線｜筋トレエステ銀座

導入：知らないと損するEMSの基礎知識

美脚、美尻、引き締まった二の腕を目指して、EMS（Electrical Muscle Stimulation：電気筋刺激）を使ったトレーニングやエステが注目されています。しかし、ここで一つ重要な問いがあります。

「腕と脚で同じようにEMSをかけていいの？」

この疑問に対し、医療・解剖学の観点から明確に答えましょう。

なぜ上肢と下肢でEMSのアプローチが違うのか？

1. 筋肉の解剖学的構造の違い

上肢（腕）と下肢（脚）は、構造と機能が大きく異なります。

• 上肢筋群は、繊細な動作と器用な運動のための**速筋繊維（Type II）**が多く、

• 下肢筋群は、体重を支えたり歩行・走行を担うための**遅筋繊維（Type I）**が豊富です。

このため、EMSの周波数設定・刺激強度も部位によって変える必要があります。

🧠文献出典：Sadoyama et al., Muscle Fiber Conduction Velocity and Fiber Composition, J Appl Physiol, 1983.

2. 神経支配と刺激閾値の違い

腕の筋肉は細かい神経支配を受けており、低い刺激でも反応します。一方で、下肢は深部筋が多いため、高出力のEMSが必要になります。

✅ 上肢 → 低周波×短時間
✅ 下肢 → 中〜高周波×長時間

🧠文献出典：Jubeau et al., Comparison of electrical stimulation modalities for quadriceps activation, Eur J Appl Physiol, 2008.

医療現場でも応用されるEMSの科学的裏付け

リハビリ領域での活用

整形外科や理学療法の現場では、麻痺筋の活性化や術後回復にEMSが活用されています。ここでも部位に応じてプロトコルが異なるのは当然のこと。

🧠文献出典：Maffiuletti NA et al., Electrical stimulation for rehabilitation and training, Eur J Appl Physiol, 2011.

美容EMSとの共通項

医療用EMS（例：AC BODY）と美容用EMSとの違いは出力制御と周波数帯。だが原理は同じ。つまり、部位別にアプローチを変えるのは医療でも常識。

【注意】誤ったEMSの使い方によるリスク

• 上肢に高出力EMS → 痛み・痙攣・神経障害のリスク

• 下肢に低刺激EMS → 効果なし・時間の無駄

だからこそ、プロの指導・医療監修のEMS施術が重要なのです。

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関連医学文献一覧（出典）

1. Maffiuletti NA et al., Electrical stimulation for rehabilitation and training, Eur J Appl Physiol, 2011.

2. Jubeau M et al., Comparison of electrical stimulation modalities for quadriceps activation, Eur J Appl Physiol, 2008.

3. Sadoyama T et al., Muscle Fiber Conduction Velocity and Fiber Composition, J Appl Physiol, 1983.

4. 日本理学療法学会誌『電気刺激療法の最新知見』Vol.45, 2022

5. 『病気がみえるvol.5 循環器』メディックメディア, 2021