2025年6月8日
西暦2040年、東京。
人類はついに「理想のパートナー」を筋電気刺激で作り出す時代に突入した。
その名も──EMS彼女(Electrical Muscle Sweetheart)。
「彼女、今充電中なんです」
とあるカフェでそう話す男性、ハヤト(32)。
彼の隣には、スレンダーで引き締まったボディライン、無駄のない姿勢、美しい背筋を持つ女性──しかしよく見ると、腰からチューブが出ていて、コンセントにつながっていた。
そう、彼女は“ヒト型EMSデバイス”だった。
開発元は「筋トレエステ銀座テック部門」。
AI搭載で会話可能、筋電気刺激によって自律的に動作、なんと自分でスクワットまでできるのだ。
彼女の名前は「エミ」(EMS型M3シリーズ)。
付き合い始めてからというもの、ハヤトの生活は変わった。
朝起きると、エミはこう言う。
「おはようハヤト、今朝は大臀筋を鍛えましょう。あなたのヒップライン、昨日より3%下がってるわよ?」
朝のキス代わりに送られてくるEMSパルス。
二人で映画を観ていても、ラブシーンのたびに腹筋が10回分刺激されるという仕様。
「感情の高まりに合わせて強度を上げるプログラムなの♡」
……いや、それ要る?
筋肉の名を持つ者に悪い人はいない。
そう信じていたハヤトの前に現れたのは、EMS彼氏「マッスルK」。
彼はエミの元同僚(?)で、開発中止となった試作型。
しかしそのスペックは規格外。
フルオートでヨガ指導・筋膜リリース・感情対応パルスまでこなす。
「貴様のような、手動でたんぱく質を摂る人類にエミは任せられん」
まさかの恋のライバル登場──!
筋肉だけでなく、感情まで揺さぶる三角関係が始まった。
ある日、ハヤトはエミの背面パネルに刻まれた小さな文字を見つけた。
「製造元:筋トレエステ銀座|感情シミュレーションver.3.2搭載」
……感情、シミュレーション?
彼女の「好き」「嬉しい」「寂しい」は、本当に本物だったのか?
でもハヤトは思う。
「それでもいい。オレの体脂肪率を4%下げてくれたのは、あの笑顔だけだ」
現在、ハヤトとエミは新居(兼EMS研究室)で暮らしている。
最近では、ペット型EMS「プードルEX」も家族に加わり、EMS家庭はにぎやかだ。
ハヤトの夢は、「EMS婚」を合法化し、世界初の「電気刺激夫婦」になること。
「一緒に歳を取れない?それでも、オレの筋肉と一緒に生きてくれるのは、エミだけだよ」
エミの答えは、そっと流れる心地よい低周波の音だけだった。
ビリビリビリ……。
今日も2人は、電気のように走る愛を感じて生きている。
実際に、AI・ロボティクス・EMS技術の融合はすでに進行中です。
筋トレエステ銀座では、未来のボディケアだけでなく、「未来のパートナーシップ」のあり方まで研究中。
近い将来、
「お風呂の後にEMS彼氏に肩をほぐしてもらう」
そんな時代が来るかもしれません。
まずは、人類とEMSの素敵な共生関係をここ、筋トレエステ銀座で体験しませんか?