2025年6月9日
都市伝説レベルで囁かれる「高圧電流で骨が溶ける」説だが、証拠は揃っていません。
✔ むしろ“骨を強くする”研究が多数
静電場やパルス電磁場(PEMF)が骨形成や再生を促進するエビデンス多数
インビボ/臨床研究で、非連合骨折治療で「骨癒合が約73~85%促進された」報告あり
メカニズムとして、電場がBMPやTGF‑β発現を促進し、骨芽細胞の分化を誘導する
骨欠損や患部修復への電気刺激の利用
骨芽細胞や血管形成が活性化され、炎症軽減も併記される
PEMFの骨密度改善効果(シニア含む)
55~65歳の骨粗鬆症群で、PEMF療法がBMD改善を示す
高圧パルス電流療法(HVPC)による血流促進と筋力向上・浮腫改善
理学療法分野では浮腫改善・創傷治癒促進が確認済
骨再生に関わる新たな機構(flexoelectricity)
骨に力がかかると電位差が生じ、骨修復のシグナルとなる現象も報告
電気刺激だけではBMDは限界あり
高負荷抵抗運動(HLRT)に比して、高圧電気単独での骨密度増加は限定的で、筋力と骨形成の長期安定には運動が不可欠
臨床試験は品質がバラつき、エビデンス強度は中程度
PEMFの効果を示す研究はあるが、RCTの質や対象規模が不十分。システマティックレビューでも信頼度は「中程度」
リスクとしては電気火傷や不快感、皮膚トラブルなど
特にホームユース機器での使用では、用法・容量が適切でないとトラブルが起こりやすい点が指摘されている
電気刺激(DC, PEcamp, Inductive coupling)は特定の骨癒合状況では推奨される治療選択肢
WHOが“電気刺激だけ”では骨量維持は難しいとし、抵抗運動や栄養療法併用を強調
Cochraneレビューでは、PEMFによる“非連合骨折改善”では賛否両論、明確な結論には至らず
ポジティブ面 | 注意すべき点 |
---|---|
骨癒合や血流改善のデータあり | 高圧電流単独では効果は限定的 |
創傷治癒や浮腫抑制の報告あり | 用法ミスで電気火傷や皮膚障害が起こることも |
骨芽細胞活性など細胞レベルで働く | 機器選びと医師監修が不可欠 |
当店では以下の方針で導入を推進しています:
高品質EMS機器の使用(高圧パルス対応OK)
専門家(医師・理学療法士)による導入時モニタリング
骨密度測定やリスクアセスメント併用による精密な施術計画
高圧電流に頼らず、負荷運動や栄養士によるサポート併用による総合療法
「高圧電流で骨を溶かす」という証拠は現時点ではなし。
反対に、「電気刺激で骨を強く、癒す」医療エビデンスは多数存在。
ただし、それらは特定条件・医療環境下であり、市販マシンや家庭利用では “効果・安全” に限界がある。
シニアに安全に提供するためには、医療連携・エビデンスのある使用・併用療法が不可欠。
Exogenous electric stimulation promotes osteogenesis, angiogenesis, and inflammation reduction
PEMF reduces edema & accelerates bone healing
EMS/capacitive coupling evidence levels in bone healing
Osteoporosis elderly RCT data on PEMF
HLRT vs electrical stimulation on BMD
Japanese review on HVPC
Risk of burns and tissue injury from high voltage currents
Flexoelectricity suggests bone generates bioelectrical signals under stress