2025年6月11日
「定期的なセックスはダイエットになる」
「3日に1回すれば太らない」
…こういった噂を耳にしたことはありませんか?
一見するとただの都市伝説のようですが、実は性行為が健康や体重に与える影響については、数々の研究が行われており、一定の効果が期待できるという側面もあります。本記事では、最新の医学的・生理学的知見をもとに、「セックス=痩せる」の真偽を分かりやすく解説します。
カナダ・モントリオール大学(2013年)の研究によれば、平均的な性行為(約25分)でのカロリー消費量は以下の通り:
男性:約101 kcal
女性:約69 kcal
これは軽いジョギング(約20分)に相当する運動量とされており、運動としての強度は中程度。つまり、「セックスそのものがダイエットになる」とまでは言えないにせよ、継続すれば代謝や体力向上につながる可能性があるのです。
セックスにはカロリー消費以上の意味があります。ホルモンバランスや神経伝達物質の分泌に与える影響が、痩せ体質づくりに関与していると考えられています。
ストレスを軽減し、過食行動(エモーショナル・イーティング)を抑える
睡眠の質向上 → 成長ホルモン分泌促進 → 代謝アップ
運動と同様にモチベーションを上げ、活動性を高める
抑うつ傾向の軽減 → 間食や甘味依存の抑制
食欲の安定、体内リズムの正常化に関与
睡眠と腸のリズム改善にも寄与
つまり、「セックス=運動」だけでなく、「ホルモンの活性化=太りにくい心身状態」につながる可能性があるのです。
「3日に1回」という具体的な頻度に、科学的な根拠があるかどうかは曖昧です。ただし、いくつかの研究では以下のようなことが分かっています。
既婚カップルで週1回以上セックスしている方が幸福度が高く、ストレスホルモンも低値だった。
週1回未満になると、幸福度・睡眠の質・自律神経の安定が低下しやすい傾向。
これを応用すれば、「3日に1回程度」というのは**精神的・身体的バランスを保つうえで“ちょうどいい頻度”**とも解釈できます。
痩せるかどうかに直結するのではなく、習慣・感情・代謝の好循環を生むという“間接的な作用”が重要です。
セックスの恩恵 | 間接的に与える痩身効果 |
---|---|
睡眠の質の向上 | 成長ホルモン分泌・基礎代謝アップ |
精神安定・自己肯定感向上 | 過食・間食防止、ストレスホルモン(コルチゾール)低下 |
親密性・愛着形成 | 孤独感・抑うつの軽減 → 食に依存しなくなる |
活動性の向上 | 運動量が自然と増える、生活リズムが整う |
医学的には、セックスだけで劇的に体脂肪が減るわけではありません。体重・体型をコントロールするには、やはり以下の要素が基本です:
栄養バランスのとれた食事
有酸素運動+筋トレ
睡眠と腸内環境
ストレス管理
セックスはその一部として「加点要素」にはなり得ても、それだけで「痩身のメイン手段」になるわけではないことを理解しましょう。
「3日に1回のセックスで痩せる」は完全にウソではないが、誤解しやすい表現。
正しくは、心身のホルモン環境を整える“健康的な習慣のひとつ”として、体重維持や代謝にプラス作用があるという見解が近いです。
University of Montreal. (2013). “Energy expenditure during sexual activity in young healthy couples.”
Brody, S. (2006). “The Relative Health Benefits of Different Sexual Activities.”
Debrot, A. et al. (2017). “More than just sex: Affection mediates the association between sexual activity and well-being.” Personality and Social Psychology Bulletin
Cohen, S. et al. (2015). “Sexual frequency predicts greater well-being, but more is not always better.” Social Psychological and Personality Science
💡最後に:性的な行為を無理に「ダイエット目的」で行うのは本末転倒。
大切なのは、心身の健やかさ・パートナーとの関係性・生活習慣全体を整えること。セックスはその一部として、健康的な人生を支える“自然な選択肢”として考えましょう。