2025年5月29日
「電磁波は危ない」「電気刺激は怖い」──そんな印象を抱く方は少なくありません。ですが、現代の医学と科学技術において、電磁エネルギーは人体にとって危険であると同時に、治療に有効なツールでもあるのです。つまり、「電気」は敵にも味方にもなり得る、きわめて両義的な存在です。
本記事では、「電磁波」と「電気刺激」の違い、医療や美容に使われるEMS(Electrical Muscle Stimulation)との関係性、そして人体への影響(メリット・デメリット)について、最新の研究と公的データを交えながら、誰も否定できないレベルで論理的に解説していきます。
まず、「電磁波(electromagnetic wave)」と「電気刺激(electrical stimulation)」はまったく異なる現象です。
用語 | 定義 | 代表例 |
---|---|---|
電磁波 | 電場と磁場が空間を伝わる波動 | 携帯電波・X線・Wi-Fi・紫外線 |
電気刺激 | 外部から電流を流して神経や筋肉を直接刺激する技術 | EMS・TENS・心臓ペースメーカー |
電磁波は、エネルギーが空間を伝播するもので、波長と周波数によって性質が異なります。一方、電気刺激は、生体に流れる微弱な電流を制御することで、筋肉を動かす・神経を再活性化する目的で使用されるものです。
総務省の定義では、電磁波には以下のような分類があります。
低周波(LF):電力線(50〜60Hz)
中波(MF):AMラジオ
マイクロ波(GHz):Wi-Fi、携帯基地局
高周波・放射線(X線、γ線):DNA損傷のリスクあり
特に注意すべきは、**高エネルギーの電離放射線(X線・γ線)**で、細胞のDNAを損傷し、癌のリスクを増加させる可能性があります。しかし、低周波や非電離放射線(Wi-Fi・Bluetoothなど)については、世界保健機関(WHO)や国際がん研究機関(IARC)も「十分な発がん性の証拠はない」としています。
つまり、低周波〜中周波の電磁波による健康被害は、科学的に証明されていないのが現実です。
医療やスポーツで使われるEMS(筋電気刺激装置)は、電磁波ではなく**電気刺激(電流)**を用いた治療技術です。
筋肉や神経は、ナトリウム・カリウムなどのイオン流によって電気的に活動しています。この「生体電流」は、生体電子(bioelectron)の流れでもあり、脳、心臓、筋肉すべてが電気信号で作動しているとも言えます。
EMSは、この仕組みを利用し、皮膚表面にパッドを貼り、**低周波電流(およそ20〜100Hz)**を流すことで、意識せずに筋肉を動かすことができます。
廃用性筋萎縮の予防(高齢者・寝たきりの方)
脳卒中後のリハビリ(FES: 機能的電気刺激)
術後の筋力回復(整形外科領域)
美容EMS(脂肪燃焼・むくみ改善)
PubMed収載論文(PMID: 29400934)では、EMSによる筋力増加と筋持久力の向上が明確に示されています。
WHOも「低周波電流(〜1000Hz)の皮膚通過による深刻な健康被害はほとんど報告されていない」と明言しています。
もちろん、電気刺激にも注意点はあります。
デメリット内容 | 説明 |
---|---|
一時的な筋肉痛 | 強度が高すぎると筋繊維が損傷する可能性 |
皮膚の違和感・痒み | 電極と皮膚の相性によって |
ペースメーカー患者は使用禁止 | 心臓に不整脈を起こす可能性 |
これらは、適切な出力・使用時間・導電性パッドの選定を行うことで回避可能です。
人間の「痛み」は、皮膚や筋肉の感覚神経から脳の視床・大脳皮質に伝わります。この経路において、個人差が非常に大きいのです。
ストレスが多い人:ノルアドレナリン過剰 → 感覚過敏
うつ状態・慢性疼痛:セロトニン低下 → 痛みの増幅
痛みに強い人:β-エンドルフィン(脳内麻薬)が多い傾向
EMSによる電気刺激は、「熱い・鋭い・嫌な痛み」として処理されやすいため、電気刺激=不快と誤解されやすいのです。
「電磁波=すべて有害」「電気刺激=痛いだけ」といった誤解は、科学的根拠と使用実態に基づけば明確に否定できます。
むしろ、以下のように言い換えるべきです。
電磁波のリスクは、種類と強度によって決まる
電気刺激は、正しく使えば治療にも美容にも効果的
EMSによる電流は、人体と同じ原理で動いている
「筋トレエステ銀座」では、医療用レベルのEMS技術を導入し、お客様ごとに出力や周波数を調整。電気生理学に基づいたパーソナル施術を提供しています。
ご不安な点がある方には、無料カウンセリングで生体電位・痛覚感受性・心身ストレス状態の簡易スクリーニングを行い、安心して体験いただける準備を整えております。