2025年6月12日
「アンチエイジング効果あり」「むくみに効く」「痩せるサプリ」……
これらは魅力的な言葉ですが、美容サロンや健康食品の広告でこのような表現を使うと、薬機法や景品表示法に違反し、行政処分・課徴金・信用の失墜など、重大なリスクにつながります。
本記事では、違法表現とその理由、そして**合法で効果的な代替表現(=OK表現)**をわかりやすく解説。
すぐに使えるチェックリスト・比較表付きで、広告・SNS・メニュー表の作成に役立つ内容です。
対象:医薬品、医療機器、化粧品、健康食品など
禁止:医薬品でない商品が、「治療・予防・改善の効果がある」と断定すること
対象:すべての業種の広告表示
禁止:根拠のない「優良誤認表示」や「有利誤認表示」
使用目的 | NG表現(違法) | OK表現(合法) | 補足 |
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アンチエイジング | 老化を防ぐ、シワが消える、若返る | 年齢肌にハリを与える、エイジングケア※ | ※エイジングケアは「年齢に応じたお手入れ」と明示すれば可 |
ダイエット | 確実に痩せる、脂肪が燃える、食べても太らない | 理想のカラダを目指すサポート、すっきりボディへ導く | 効果の断定・医療行為の印象を避ける |
むくみ | むくみが治る、改善される、脚が細くなる | やさしく流してすっきり、巡りを意識したケア | 「症状改善」はNG、「印象表現」が基本 |
美白 | 美白になる、シミが消える、メラニンを除去 | 明るく透明感のある肌印象に、肌のキメを整える | 医薬部外品で「美白」表記は可(承認範囲内に限る) |
小顔 | 小顔効果、顔が引き締まる | フェイスラインをすっきり見せる、顔まわりの印象アップ | 「印象の変化」でとどめる |
肩こり | 肩こり改善、治る | 首肩まわりのこわばりをやさしくほぐす | 肩こり=医療対象なので「改善」はNG |
→ 医薬品以外のものが「むくみ改善」と言えば医療行為の暗示になる
→ 健康食品・エステ施術では「脂肪燃焼」「体重減」は科学的根拠なしではNG
→ 「老化防止」は病気予防・治療と同等の効果をうたうと見なされる
年齢肌の乾燥が気になる方へ
肌にハリと潤いを与えるトリートメント
年齢に応じたエイジングケア習慣に
めぐりを整えてすっきりとした印象へ
ボディラインが気になる方に向けたケア
健康的な理想のボディをサポート
毎日の食生活をサポート
栄養バランスが気になる方に
キレイと健康を内側から応援
事例 | 違反内容 | 処分 |
---|---|---|
健康茶販売会社(2020年) | 「飲むだけで内臓脂肪が落ちる」表示 | 課徴金6,000万円 |
化粧品ECサイト(2021年) | 「シワが消える」「美白になる」表示 | 措置命令・商品回収 |
エステサロン(複数) | 「むくみ改善」「痩せるマシン」 | 行政指導・表現削除命令 |
厚生労働省|医薬品等適正広告ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
消費者庁|景品表示法(優良誤認表示)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
公益社団法人日本広告審査機構(JARO)
https://www.jaro.or.jp
一般社団法人 薬事法ドットコム|薬機法解説・広告規制対応
美容や健康業界では、魅力的な言葉がつい先行しがちです。しかし、その一言が法律違反となり、信用・売上・事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
治療・予防・効果の断定は薬機法違反
印象・サポート・希望レベルに留める表現が安全
OK表現リストを常に参照し、社員教育にも活用する